湊川隋道をご存知ですか?
連日の猛暑にぐったりの8月のある日、
湊川隋道の一般公開とミニコンサートの情報を得たので出かけてみました。
するとどうでしょう!
神戸のど真ん中にこんなに涼しい場所があるなんて…。
湊川は本学のある長田区のとなり、兵庫区に位置します。
湊川界隈といえば大きな商店街があり、新鮮な野菜や魚などが安く手に入ることで有名です。
また、商店街より少し西には会下山…
ここは楠木正成が足利軍との決戦の場所として知られている小高い丘ですが、
春は桜でとてもきれいなところです。
湊川とはその地を流れる川の名前ですが、
その昔、湊川は石井川や天王谷川の合流点付近から現在の湊川公園を経て、
新開地方面へと流れていたそうです。
しかし、天井側で堤防が高いために東西の交通が不便であること、
神戸港に土砂が流れ込むこと、
幾度もの洪水被害に遭ったことなどの理由で、
流路の変更が行われました。
現在の新湊川に至るまでに何度も工事が行われていますが、
兵庫区会下山をくり抜く、わが国初の河川トンネルとして、
1901年(明治34年)8月に湊川隋道(会下山トンネル)が完成しました。
2000年(平成12年)に新湊川トンネルができたことで、
湊川隋道は役割を終えましたが、その後も貴重な土木遺産として保存されています。
入り口からなだらかな坂を下るようにトンネルの内部に入ると、
アーチ型に組まれたレンガ造りの広い空間で、
外の暑さがうそのようにひんやり・しっとりとした空気が感じられます。
周囲の壁からは地下水が滲み出て、水滴が落ちてくることも…。
薄暗い明かりのもと、トンネルを進むと30脚ほどのパイプいすと小さな舞台がありました。
その日のコンサートは中・高の同級生で結成したという「まるしん」というバンドで、
アラ50には心地よいニューミュージックのカバー曲を演奏してくれました。
トンネルの中に響く歌声とギターの音。とても幻想的な体験でした。
一般公開・ミニコンサートは無料で、湊川隋道保存友の会が主催しておられます。