2010年10月11日月曜日

飛行機

 子供の頃から飛行機は好きでした。まず紙飛行機、といっても折紙飛行機、次いで、竹ひごと紙と細い木とで作る小さなグライダーやゴム動力機になり、これが次第に大きくなって翼幅1mほどの角胴のグライダーやゴム動力機になって行きました。その後、ラジコン機も手がけましたがエンジン音が凄まじく、周囲に迷惑をかけるとのことで止めさせられました。ラジコン機の経験は浅く、うまく飛ばなかったのを覚えています。

 この間に、私にとっては衝撃的なことが起こりました。プラスチックモデル(プラモデル、プラモ)の出現です。それまではソリッドモデルと称して、木を削って「飛ばない模型飛行機」を作っていました。胴体断面図や翼断面図を参考に、飛行機の形を削りだして行くのです。時間のかかる細かな作業でした。そこにプラスチックが出現したのです。私が最初に手にしたのはジープのプラモデルでした。先輩から、息子のためにアメリカ土産として持ち帰ったけれども息子が幼いので作ってやってくれと、依頼されたのです。飛行機ではありませんでしたが、ジープはあっという間に組み立てられました。車体は、あの、ジープ独特の色のプラスチックで予めつくられているので、接着と差し込みを繰り返して行くだけでかなりの細部まで再現されたジープが出現しました。これが衝撃だったのです。ソリッドモデルはソリッドモデルで、味のある面白いものでしたが、模型の精度が全く違います。それ以来、プラモデル作りが続いています。対象は、勿論、飛行機ですが、制作機数は多くありません。自動車のプラモデルには全く興味はなく、カー・レーシングやラジコンカーもやりませんでした。飛行機のプラモデルでも、細かい時代考証に基づく塗装だの、だれそれの搭乗機の塗装だのといったことには全く興味は無く、コクピット内の計器盤などを細かく再現することにも興味はありません。プラモデルに爆弾をぶら下げて兵装を再現するなどということもしません。興味があるのは、機体のスタイル、空力的魅力です。

 ライト兄弟が、人類最初の動力機飛行に成功した1903年から100年を超える歳月が流れました。この間の飛行機の発達は本当に素晴らしいものです。飛行機の発達は、エンジンの発達、使用場所に応じた材料の進歩、などのハードとともに、空力というソフトの進歩によるところもありました。そのようなことを思いながら、作り上げてた機体の中から適当なのを選び、前から後ろから、右から左から、あるいは上から下から、飽きることなく眺めています(と云いたいところですが、なかなかゆっくりできないのが現状です)。

 なお、数年前から電動ヘリコプターを飛ばしています。非常に良くできていて面白いのですが、意外に大きな音が出るので困っています。


写真のプラモデル・キットは、朝日新聞社「神風号」です。昭和12年、亜欧連絡飛行(立川-ロンドン)に使用され、当時としては画期的な94時間17分56秒(実飛行時間51時間余)でこれを成し遂げました。もとはといえばこの機体は、三菱が当時の日本陸軍の指示を受けて製作した高速偵察機の試作第2号機です。