クリスマスが近づくと毎年家族で笑い話になる思い出があります。
5歳のクリスマス・イブのこと。私と妹は1つずつ枕元に靴下を並べていました。「サンタさん来てくれるやんねぇ。」「お手紙も書いたしねぇ。」と、うきうきしながら。
「早く寝たら早くサンタさん来るよ。」という大人の事情により早々にベッドに入った私たち姉妹。
翌朝、靴下には1つずつプレゼントが入っていました。ゆっくりテープをはがして(リボンと包装紙はお買いものごっこに使えるからと大切に扱いながら)見てみると、大好きなキキララのハンカチが出てきました。私は水色、妹は桃色。大好きなキャラクターだったことと、仲良しの近所のお姉さんがハンカチを大人っぽく使っている姿に憧れていた私たちは大喜びで父と母に自慢して見せました。
その次の日のこと。妹とかくれんぼを始めた私は押入れにこっそり忍び入り、見つからないよう息をひそめていました。そのとき新しい白い箱が目に入りそっと箱を開けてみたのです。
中にはキキララのレモン色のハンカチが!
しかもスペース的に、あと2枚入っていたかのような空間が!
5歳の私は5歳なりにあれこれ考えをめぐらせました。ずいぶん時間が経ったように感じました。妹の声が近づいてきたので、なぜか私は慌てて箱を押入れの奥に隠し、このことは妹には言ってはいけない、お父さんお母さんにも言わない方が良い気がする、と5歳なりに大人の階段を登ったのでした。
そんな私が8歳のクリスマス・イブには、2人に増えた妹と枕元に靴下を並べていました(やっぱり信じたかった私)。サンタさんが世界中を回っておなかをすかせているだろうと、キャンディ・チョコレート・おばあちゃんのぽたぽた焼き(←なぜか忘れられない)を並べ、「サンタさんさむかったでしょ。ちょっときゅうけいしてください。」と手紙を添えました。この年も大人の事情により3姉妹で早々にベッドに入りました。
翌朝それぞれの靴下にはプレゼントが入っていました。当時姉妹ではやっていたシルバニアファミリーの人形や家具セットに大喜びして、父と母に自慢して見せました。さらに、サンタさんに用意しておいたキャンディなどがきれいになくなっていて、包み紙が2つ、ゴミ箱に捨てられていました。私たちは「サンタさん、ここでふたつ食べたんやねぇ。あとは持って帰って途中で食べたんかなぁ。」と感動していました。
その日の夕方のこと。姉妹で洗濯物を畳んでタンスにしまうお手伝いをしていた時、父の靴下をしまおうと引き出しを開けてみたところ・・・。
昨日サンタさんが持って帰ったはずのキャンディやおばあちゃんのぽたぽた焼きが!
サンタさん宛てにとびきり大切にしていた便せんで書いたお手紙が!
今回は私だけでなくひとつ下の妹も一緒に発見しました。8歳と7歳の子どもなりにあれこれ考えをめぐらせました。ずいぶん時間が経ったように感じました。
「あみちゃん(一番下の妹)には言わんとこう。な?」と言葉を発したのは2人一緒だったかも。今回は秘密を2人で共有できて、なんだか嬉しくてクスクス笑ったことを覚えています。
我が家のおっちょこちょいサンタさんたちのおかげで楽しい思い出がいっぱいのクリスマスです。私もきっとおっちょこちょいサンタさんになりそうだな。