10月9日の朝刊で、「山中伸弥教授、ノーベル賞受賞」の超特大活字が眼に飛び込んできました。神戸大学の同級生として、数年前からいつもこの季節にはテレビでノーベル賞の発表をドキドキして見ていたのですが、今年に限って風邪をひいてしまい、発表翌日の朝刊で知ることになりました。
学生時代は特に親しかったわけではないですが、いつも教室の後ろの方で仲間達と楽しそうにしていた姿が記憶に残っています。当時、彼が研究者になるとは夢にも思いませんでしたが・・・
iPS細胞で大ブレイクして超多忙ななかを、2年前の同窓会に参加してくれました。彼と一緒に映った写真は今や大事な宝物ですね。同窓会での講演で、留学後に研究者として進路を定めた後の苦しかった時期の話もありましたが、彼の朴訥な人柄が伝わってきて、ほのぼのとした気持ちになりました。「ごちゃごちゃ考えて悩むよりも、まずは手を動かせ、行動しろ。」と自らに言い聞かせてがんばり抜いた山中先生に心から祝福を送ります。また、彼を見ていてつくづく思うのは、若いうちは伸び伸びと好きなことをめざして進むのが大成への道であるな~、ということです。
私の専門は血液内科ですが、現在山中先生のiPS研究所では、iPSから血液細胞、特に血小板の産生をめざしています。収率やコスト面ではまだ課題がありそうですが、それほど遠くない日に、iPS由来の血小板を、患者さんに輸血できる日が来るのかな、などと、彼の研究の発展をこれからもワクワクしながら見守っていきたいと思います。