そして、これらの全身分布のうち検査項目の多い順番を示すと肝機能検査(35)、腎機能検査(15)、循環器機能検査(15)、膵臓機能検査(13)、副腎髄質(10)・副腎皮質(8)機能検査などです。( )内は検査項目数を示しています。
では、これらの体液成分の血中濃度についてのべますと、表1に示しますように総蛋白質の濃度は g/dLであり、血糖や尿素質素はg/dL の1000分の1のmg/dLの濃度で存在しています。以下、代表的な各濃度の体液成は血清鉄、血漿アンモニアの化学的成分と甲状腺ホルモン(サイロキシン)、人成長ホルモン、副腎皮質刺ホルモンなどに示すように1000分の1ずつ低くなります。ただし、平均赤血球容積(MCV)はfl(フェムトリットル)です。参考に表2に1000分の1ずつ低下する内容について示しました。
これらの濃度に対する測定はg/dLからμ/dLは化学的に直接吸光分析法で測定しますが、n/dL以下に対しては免疫学的測定法が利用されています。
体液成分を化学的に測定する(臨床化学分析という)試料は血清、血清や尿が多く、これらの試料中には、最初に述べましたように350種類ほど含まれていますから、試料の特徴は多くの成分が含まれて多成分含有試料であり、しかも存在様式も非常に複雑(例えば、コレステロールはHDLコレステロール、LDLコレステロール、エステル型コレステロール、遊離型コレステロールなど)であります。このような試料中の目的成分だけを特異的、迅速、精密、正確に測定していますのが臨床化学検査の特徴です。今回は臨床検査につきまして臨床化学検査を中心に紹介しました。