みなさん「認定遺伝カウンセラー」って聞いたことありますか?この認定遺伝カウンセラーは2005年に誕生した新しい職種です。しかし遺伝カウンセラーがどのような専門職なのか、医療従事者さえまだはっきりと理解されていないのが現状です。
近年医療技術の進歩により、お母さんから採血するだけで、おなかの中の赤ちゃんの染色体検査が可能になりました。この検査の前後には遺伝カウンセリングを受ける事が必要とされています。この時に登場するのが臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーです。
彼らが行っている遺伝カウンセリングとは、遺伝子や遺伝のメカニズムが関与する疾患や体質について、さまざまな問題を抱える方やそのご家族のお話を伺いながら、医療情報をわかりやすく説明したり、心理社会的なサポートを行って、一般の方たちの理解と納得を支える医療サービスです。
認定遺伝カウンセラーは疾患の解説をはじめ、遺伝子検査で明らかになることや、療育における社会福祉資源など、入手可能なあらゆる情報を提供してクライエントを支えます。クライエントの側に立って、上下関係の生じがちな主治医とは異なった視点と倫理感からカウンセリングを提供します。クライエントにとっても、個人的な事情を相談できる稀有な人材なのです。
このように徐々に広まりつつある認定遺伝カウンセラーは、専門の養成課程(大学院修士課程)を修了し、認定試験に合格する事でなることができます。現在140名が認定遺伝カウンセラーとして活躍されており、中には看護師や臨床検査技師の免許を持った方もいます。
今回、卒業後の新たな道の一つとしてご紹介しました。