「ワイガヤ」にはもう一つの顔がある。それは地域と大学をつなぐ窓口としての顔だ。大学の使命の大きな柱は「教育・研究・社会貢献」の3である。そしてそれらはすべて社会に還元されて初めて意味を持つ。
本学は歴史的にも地域との交流が活発に行われてきた経緯はある。しかし、大学が学内外に向けて「地域に貢献します!」と声を上げたわけではなく、すべての地域交流事業が集約されてデータベース化されてもいない。何よりも学生の教育や教員の研究が地域志向であったかというと甚だ疑問である。学びの場は学内だけでも病院や保育所だけでもない。
本学が存在する神戸市や長田区は、平清盛が都に定めた街であり、戦前までは新開地と共に繁華街として長く神戸の中心地であった時代背景を持つ。そして、第二次大戦の神戸大空襲によって焼け野原となり、幾度となく風水害の餌食となり、とどめは阪神・淡路大震災という未曾有の大災害を経験した過去も持つ。この街は示唆に富んだ多くのことを教えてくれる生きた教材であり、そこに住む人々もまた優れた教育者である。その方々が「ワイガヤ」に集い、学生や教員との交流を通じて大学の持つ知的財産やマンパワーを共有することで地域の課題を克服し、本学が真の意味でCenter of Communityとなることがこの空間のもつ大きな目標でもある。
さあ、学生諸君!
この空間で「ときわ」の新しい歴史を創っていこうじゃないか。