2010年8月16日月曜日

オートバイの楽しみ方

 昨秋に以前から欲しいと思っていたカワサキW650というオートバイを買った。1999年の発売以降いずれ新車でと思っていたが2008年を最後に排気ガス規制をクリアできないとのことで製造中止になってしまった。こうなると中古でもよいかと思い、垂水区のバイク屋に出物があったので買うことにした。家には、ヤマハSR500(1988年式)、スズキサベージ650(1987年式)通勤用スクーターのホンダリード110(2008年式)、そしてカワサキW650(2002年式)と日本の4メーカーのバイクが揃うことになった。結局、スクーター以外はすべて中古である。中古のいいところは年々厳しくなる排気ガス規制や騒音規制が製造時の規制をクリアしていればよいので、新たな規制に伴う馬力低下を免れることである。また中古の方が遠慮なくいじり回せる気軽さもある。








 



 オートバイの面白さは機械というハードをいじる楽しみと、旅というソフト面を楽しむ二面性がある。これはオーディオもしかりで自分でアンプを組み立てる楽しみと、音楽を聴く楽しみがある。写真のアンプは製作時に600Vで感電し半田ごてを持った腕がはじき飛ばされるという体験をしたアンプだがその分愛着がある。真空管アンプは回路が単純で真空管という素材自体が完成度が高いので、NFB(Negative Feed Back・負帰還)を多くかけなくてもよく、球を割らない限り故障もなく飽きが来ないのが魅力である。

 W650で5月の連休に京都の専門学校で教員をしている友達と福知山で待ち合わせ、但馬海岸の香住まで約100kmを一気に走り「かに市場」で昼食をとる。さすがに日本海だけあり魚が新鮮で旨い。帰りは日本海を左手に見ながら城崎まで走り、混雑する豊岡を避けて久美浜~但東~福知山までハイスピードで走り抜けた。福知山で別れて国道175へハンドルを切る。

 18歳で免許をとり原付バイクばかり乗っていた。当時はヘルメット着用義務がなく開放感があったが、ある時期から安全上50ccにもヘルメット着用が義務化された。それならいっそのこと自動二輪免許をと思い免許を取ったという単純な動機であった。当時は教習所でとれる免許は中型限定で大型までは考えていなかった。

 ホンダVT250Zを購入しあちこちと走っているうちに、もう少しパワーがほしく思い、ホンダVF400Fというバイクを中古で買い、残雪の大山へ出かけたりと次第にバイクの気儘な旅が面白くなってきた。









   
    夏の諸寄





 しかし、中型では長距離のツーリングや高速道路を使うときに限界を感じてきた。そこで明石の川崎重工のテストコースでの練習会や、運転免許試験場で白バイ隊員が指導する練習会などに何回も通い1年後には「中型限定」を解除し自動二輪(限定無し)になった。数年前までは自動二輪免許は一本でどんな排気量でも運転できる限定がないもの。条件として小型や中型に限る「小型限定」「中型限定」などがあった。「眼鏡」も同じく条件である。だから、中型限定で大型に乗っても無免許運転とはならず「条件違反」になっていたので反則金も僅かであった。ところが数年前の改正で二輪免許が小型、中型、大型と分かれてからは無免許運転になる。この限定解除という実技試験が結構難しく5~6回受けないと合格しないといわれていたが、練習の甲斐あり3回目で合格することができたので、即刻試験場近くのバイク屋をのぞくと新古車(売れ残り)のホンダVF750Fが半値であったので手を打つ。その後、ホンダCBR750、カワサキGPZ600Rのスポーツバイク遍歴を経て現在の4台に至っている。

 先日も高速自動車国道の無料化社会実験中の舞鶴若狭自動車道をW650で走ったが、時間効率の良さはともかく楽しさは一般道に比べあまり感じない。
どうやら効率や合理性のなかに楽しさや面白さを求めるのは無理のようだ。二輪車は雨や暑さ寒さを防ぐ手だてもない非効率な乗り物だが、その不条理さの中に楽しさと開放感がある。
                                      医療検査学科 酒井健雄