2014年8月25日月曜日

散歩

 我が家には、ポメラニアンのオス5歳がいます。私は、毎日、「散歩させてもらって」います。

 我が家の犬に限らず、犬はとにかく散歩が好きです。散歩に行く時の私の行動パターンを把握しているようで、私が、これをしてあれをすると散歩に行けるとよんでおり、そわそわしだします。
 雨が降ろうが、雪が降ろうが毎日朝と夕方には散歩です。先日の台風の時でも、猛烈な雨風にもかかわらず散歩に行きました。

 はじめは散歩に連れて行ってあげないと犬がかわいそうだと思っていました。ですから、しぶしぶ行くということも結構ありました。しかし、最近は、「犬に散歩をさせてもらっている」と思うようになりました。

 まず、自分一人では毎日歩くということはしないでしょうし、やっても長続きしないと思います。犬がいるから4年も続いているのでしょう。朝夕合わせると結構な時間歩いています。散歩をしている人の中に、81歳の方がいます。歩き方もしっかりしてお元気な方です。80を過ぎても元気な秘訣はと聞くと、「これです」と犬を指さしました。毎日散歩で、歩あるいているそうです。


 以前は、仕事中心の生活をしており地元に知り合いはほとんどいない状態でした。しかし、散歩をするうちに何人かの人と顔見知りになり話をするようになりました。今でも、散歩を通じて顔見知りの方が増えています。

それで、最近は、犬の散歩をしているのではなく、私が犬に散歩させてもらっていると思いだしたのです。

                                  井上 文雄

2014年8月4日月曜日

「食」が繋ぐ

夏が近づくとワクワクした気分になります。四季の中で一番好きな季節だと言うこともありますが、大好きな海遊びができるからです。海のきれいな沖縄に毎年行くようになってもう10年になります。沖縄の虜になったそもそもは、やはり最初の目的の海遊びです。果てしなく続く紺碧の海の中は、別世界です。そして、もうひとつの理由は「食」です。今や沖縄料理は神戸でも食べられるくらいメジャーになっていますが、仲良くなった地元の友人から珍しい家庭料理をご馳走になることがあります。ある出来事がありました。「中身汁(なかみじる)」を食べたとき、初めてなのに懐かしく感じたのです。友人にレシピを聞いて帰り、母に尋ねてみると謎が解けました。「中身汁」というのは、豚のモツ(内蔵)をカツオの出汁でお吸い物にしたものです。沖縄では豚を好んで食べますが、モツも豚が多いようです。母の話によると我が家のホルモン焼きは、豚のモツだったかもしれないことがわかり、母の作るお吸い物はいつもカツオのお出汁でした。どちらも私の思い出の味だったのです。長年、食べたいと思っていた味をまさか旅先で食し、母と思い出話をすることになるとは思ってもみませんでした。そして、沖縄との縁を深く感じて、ますます虜になりました。 6月に行われた「野菜を食べようキャンペーン」に発案した学生のひとりが、試作品を「母の日」のプレゼントにして喜んでもらったと話してくれました。「食」は、いつの時代でも親子を繋いで行くものなのだと痛感しました。ついつい職業柄、健康食ばかりに捕われがちの自分自身を振り返り、今年の夏は楽しく幸せになれる「食」を大切にしようと思います。