2014年8月4日月曜日

「食」が繋ぐ

夏が近づくとワクワクした気分になります。四季の中で一番好きな季節だと言うこともありますが、大好きな海遊びができるからです。海のきれいな沖縄に毎年行くようになってもう10年になります。沖縄の虜になったそもそもは、やはり最初の目的の海遊びです。果てしなく続く紺碧の海の中は、別世界です。そして、もうひとつの理由は「食」です。今や沖縄料理は神戸でも食べられるくらいメジャーになっていますが、仲良くなった地元の友人から珍しい家庭料理をご馳走になることがあります。ある出来事がありました。「中身汁(なかみじる)」を食べたとき、初めてなのに懐かしく感じたのです。友人にレシピを聞いて帰り、母に尋ねてみると謎が解けました。「中身汁」というのは、豚のモツ(内蔵)をカツオの出汁でお吸い物にしたものです。沖縄では豚を好んで食べますが、モツも豚が多いようです。母の話によると我が家のホルモン焼きは、豚のモツだったかもしれないことがわかり、母の作るお吸い物はいつもカツオのお出汁でした。どちらも私の思い出の味だったのです。長年、食べたいと思っていた味をまさか旅先で食し、母と思い出話をすることになるとは思ってもみませんでした。そして、沖縄との縁を深く感じて、ますます虜になりました。 6月に行われた「野菜を食べようキャンペーン」に発案した学生のひとりが、試作品を「母の日」のプレゼントにして喜んでもらったと話してくれました。「食」は、いつの時代でも親子を繋いで行くものなのだと痛感しました。ついつい職業柄、健康食ばかりに捕われがちの自分自身を振り返り、今年の夏は楽しく幸せになれる「食」を大切にしようと思います。