2014年6月30日月曜日

藤の花から思いをめぐらし

 花は、なぜか人の心を惹きつけます。花は昆虫たちを引き寄せる力があるので、自然の法則として何か魅力があります。毎日の生活の中で、迷い・悩み・どうにもならなくなった時に、花に癒され、花に近づきたくなるようです。特に、気分が落ち込んだ時こそ、花の生命力を通して癒されたり考えさせられたりします。

  5月の末に和田山の藤まつりが行われており、無性に藤を愛でたくなりました。3日間限定だったこともあり、夜のライトアップされた藤を見ようと、車を走らせて藤に会いに行きました。そこに広がる光景はとても美しく、藤の特性を存分に引き出し、独特な世界を創りあげていました。

 藤は蔓(つる)科の植物で、他にも蔓科の植物に、葛(かずら)があります。どちらも蔓を巻き付けながら成長していく植物なのですが、この2つの植物の名前を合わせて「葛藤」という言葉がつくられています。まさに絡まり縺れる様は、葛藤している人の心の様を表しているのでしょう。


 その日のライトアップされた藤は、蛇や龍のように広がり、舞子さんの髪に揺れる簪(かんざし)を想像させ、壮観で威風堂々たり、そして妖艶な姿を見せてくれました。そんな姿を見ていると、葛藤することは悪くないものだと思えるようになった。こんなにも壮大で美しいと感じる情景は、人も様々な葛藤を通して、藤のように成長し花が開くのだろうと思わせてくれます。あの時の葛藤が、今の私を創っているのだと感謝することができれば、成長の証なのかもしれないと思う今日この頃です。

2014年6月25日水曜日

3年に一度開催される、国際臨床化学会(IFCC)での発表と会議への参加でイスタンブールを訪れ、せっかくなのでトルコの地から発信を。
関西空港を土曜の22時半頃に出発し、約13時間後にイスタンブールへ到着。時差がマイナス6時間あり、現地は日曜の朝5時半。入国手続きも荷物の受取も終わり、イスタンブール市内への車窓から青い空と静かな水面の向こうにモスクが垣間見え、異国へ来た感じはヒシヒシと高まる。約30分ほどで新市街地へ着き、会場隣接のホテルへ到着。荷物を預けるつもりが、部屋は空いているのでもう使ってよいとのこと、これはラッキー。
会議は朝からすでに始まっており、会場に入ったらアメリカの友人がちょうど居合わせ、さらに台湾、イタリア、オーストラリア、アルゼンチン、カナダなど友人と次々に出会う。あー、やっぱり国際学会と懐かしむ間も無く慌ただしい日々のスタート。
サマータイムで21時でも十分に明るいテラスで初日はワイン片手に、目の前に広がるボスポラス海峡を眺めながらのオープニングセレモニー。この位の楽しみが無いと、やってられないかな。
翌日からのセッションではこの分野でのホットトピックスがつかめ、助かる。かと思えば、参加中に丸2日はクローズドミーティングと言って非公式な分科会があり、こちらは午後の丸々4時間を数人で会議するのでこれは神経を使う。ここでの決め事がIFCC基準として世界基準にもなることがあるので、この会議はホントに緊張。ただこの会議も17時には終わるので、21時過ぎまで明るいことを有効利用し、イスタンブールの探訪も。
イスタンブールはアジアとヨーロッパの交流地点だけあり、かつてのにぎわいが今も残るエキゾチックな町。有名なモスクが現存する旧市街と、その後に開発された新市街。新市街と言っても歴史は古く、見応えは十分ある。時間があれば郊外でいろんな遺跡を見ることが出来るのだが、それはプライベートで訪問するまでの楽しみに。
次回のIFCCは3年後に南アフリカのダーバン。仲間達とは暫しのボンボヤージ。

写真は新市街にあるガラタ塔(1348年完成)からの眺め。眼下に広がるのが新市街で、橋の向こうが世界遺産もある旧市街。水と空の青さが目に染みます。