2014年6月30日月曜日

藤の花から思いをめぐらし

 花は、なぜか人の心を惹きつけます。花は昆虫たちを引き寄せる力があるので、自然の法則として何か魅力があります。毎日の生活の中で、迷い・悩み・どうにもならなくなった時に、花に癒され、花に近づきたくなるようです。特に、気分が落ち込んだ時こそ、花の生命力を通して癒されたり考えさせられたりします。

  5月の末に和田山の藤まつりが行われており、無性に藤を愛でたくなりました。3日間限定だったこともあり、夜のライトアップされた藤を見ようと、車を走らせて藤に会いに行きました。そこに広がる光景はとても美しく、藤の特性を存分に引き出し、独特な世界を創りあげていました。

 藤は蔓(つる)科の植物で、他にも蔓科の植物に、葛(かずら)があります。どちらも蔓を巻き付けながら成長していく植物なのですが、この2つの植物の名前を合わせて「葛藤」という言葉がつくられています。まさに絡まり縺れる様は、葛藤している人の心の様を表しているのでしょう。


 その日のライトアップされた藤は、蛇や龍のように広がり、舞子さんの髪に揺れる簪(かんざし)を想像させ、壮観で威風堂々たり、そして妖艶な姿を見せてくれました。そんな姿を見ていると、葛藤することは悪くないものだと思えるようになった。こんなにも壮大で美しいと感じる情景は、人も様々な葛藤を通して、藤のように成長し花が開くのだろうと思わせてくれます。あの時の葛藤が、今の私を創っているのだと感謝することができれば、成長の証なのかもしれないと思う今日この頃です。