2011年12月19日月曜日

秋が深まって、空の高さを実感しています。
さて、最近の航空業界での大きな話題といえばボーイング787ドリームライナーでしょう。先日、この初号機がANAに引き渡され、9月28日羽田空港に到着しました。機体の軽量化に貢献したカーボンファイバーをはじめ、日本メーカーがこの機体に関わっているところは大きく、(日本の)準国産機などと表現した報道があるくらいです。しかし、実際はとても準国産機などと言えるものではない、と私は思っています。国産機という点では、三菱のMRJ、ホンダのHondaJetが興味を引く存在です。個人的にはHondaJetのほうが面白いので、HondaJetを紹介することにしましよう。
 HondaJetの歴史を遡ってみますと、やはり辿り着くところは本田宗一郎です。今や二輪・四輪のメーカーとして押しも押されもしないHONDAは、傑出した技術者であった本田宗一郎が戦後間もなく設立した本田技術研究所が育ったものです。彼は当初から飛行機に興味を持っていた節があります。
 さて、1986年和光基礎技術研究センターが発足し、小型機開発を研究テーマの一つとしますが、このテーマに関わったチームの一員に藤野道格がいました。彼は、2006年に設立されたホンダ エアクラフト カンパニーの社長に就任し、同年HondaJetの米国向け受注を開始するのです。受注開始の当日に100機を超える注文があったといいます。
 順調に作業が進めば来年2012年、HondaJetの引き渡しが始まるはずです。
  HondaJetの特徴は、以下の通りです。
1. 全長12.5 m、全幅12.2 m、全高4.1 m
2. 主翼上面に二つのエンジンを配置した双発機
3. 自主開発エンジン
4. 炭素複合材の多用

HondaJetは「準」ではなく、真の「日本の飛行機、国産機」なのです。