2012年8月20日月曜日

情報メタボ

有史前より450万年に渡る「飢餓」に耐え、生き抜いてきた人類は、この40~50年のあまりにも急激な「飽食」の時代に直面し、長年培ってきた体内環境が対応しきれず、生物体としての綻びが見え始めています。  そして、このような現象は、摂取栄養量のみならず、いま世界を席巻し、怒濤のように我々のまわりを渦巻く「情報」に関しても同様で、我々の体内環境、特に脳・神経系統において、同じような破綻を起し始めているのです。

 世界の「電脳化」によってもたらされた情報の流通量とその伝播速度たるや、実に凄絶なものがあり、最近急速に普及してきたSNS(Social Network Service)をとってみても、全世界で1日に投稿されるツイッタ-の数は、ゆうに3億4000万件を越えるのだそうです。

 本来「情報」とは「敵情についての報告」の略であり、戦時用語でした。英語では「information」ですが、国家機密などより重要な事項は「intelligence」といわれ、近年の国際関係は、このintelligence の探り合いの上に成り立っています。  「情報」とは、これらの軍事情報のみならず、その真贋はもとより、内容の重要性たるや、実に千差万別です。というよりも、はっきり言って、月単位で指数関数的に膨れあがる情報の殆どは、数ヶ月もすれば消えてなくなる、大半は取るに足らないものであるといっても過言ではありません。つまり、”知らなくても済んだ情報” の何と多いことか!

 余剰のコレステロールが、我々の血管内壁にたまり、狭窄を引き起こすように、junk foodならぬ、junk information が、澱のように我々の頭脳内にこびりついて、脳本来の機能である「思考する」ことを妨げ、いわゆる「情報メタボ」というべき状態を呈しているのではないのでしょうか?

最近、物欲主義を廃して生活のスリム化を図ろうとする、持たない主義の「ミニマリスト(最小限主義者)」を目指す考えが、静かなブームを呼んでいます。

週末くらいは、コンピューターや携帯の電源を切って情報から隔離された、自分本来の生活を進んで行う。つまり、情報の贅肉をできるだけそぎ落として、脳をすっきり快適にする必要があるんではないか、Media社会の真っ只中で、そんな風に思う今日この頃です。

(医療検査学科  野村秀明)