2011年5月9日月曜日

知ることは楽しい

遅ればせながら、紙面をお借りして、東日本大震災で被災された皆様には、心よりお見舞い申しあげますとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。

さる4月6,7日に当大学では新入生の学外オリエンテーションがありました。
その活動の中で、各学科の学生と教員が混ざってのグループワークが行われました。
私が入ったグループは、司会をして下さった幼児教育学科の学生さんが活発に行動して下さり、その時の自己紹介で、まず、自分の趣味や長く続けていることを話されたのをきっかけに、他の学生も、我々教員も。私は今まで趣味として話したことのない、長く続けていることを1つ思いだし自己紹介に付け足しました。

それは、「サロン・ド・K」という知り合いの大学教授夫妻が趣味で開いている会に20年以上参加し、またお手伝いもしてきたことです。
この会は、「サロン」という言葉の本来の意味のもので、ただ食べたり、飲んだりしておしゃべりをしているものではありません。
医学系だけでなく、いろいろな分野の専門家に90分ほどお話ししてもらい、その後、演者と食事をしながらなんでも気さくに質問するという、講演会をもっと身近にしたようなものです。
素人が、何でも聞けるところがいいです。
縁者は大学の先生や企業のスペシャリストが多くなるのですが、音楽家、俳優、宮大工さんや卸売市場のメロンの専門家のような職人気質の方も・・・・。

この会は年に10回あるので、私は200以上のスペシャリストのお話を聞いたことになります。
このごろ思うことがありこの話を書きました。
それは、学生さんたちはインターネットで調べ、ネットでお話しするという方法が多くなっていると思われることです。
それもいいのですが、ネットだと自分の興味ある分野にかたよりがちです。
直にお話を聞くとその方の情熱が伝わってきます。
皆さん、本当に「自分の仕事が大好きで、自信を持っておられる」ことが。
また、好きなことを仕事にできて幸せに見えますが、自分に向いているのかどうかわからないままに、自分の仕事を深く深く深く理解するうちに大好きになっていった方があることも。
こういう分野を問わずお話をきいていると、自分には全く興味がないと思っていたことに引っ張り込まれたりしてまたおもしろいものです。
音楽音痴な私がオペラ専用劇場の建築の話を聞いたのをきっかけに、オペラを聴きに行くようになったのですから。
学生の皆さんにもいろいろな機会を利用して、分野に関係なくたくさんの方のお話に、直に触れていただきたいなと思っています。

医療検査学科 北野 悦子