4時半になったので、食事前に再度別の温泉に入ることにした。
日帰り旅にもかかわらず温泉に2回入ることは当初より決めていた。
つい2時間前に入ったばかりなのだが、私の温泉好きを知っている仲間は異議を唱えようともしない。
異議を唱えても却下されることが明らかなので無駄な努力はしないのだ。
市内にある「こぜにや」という旅館の日帰り温泉を楽しんだ。
ここも人気の宿なので、時間帯によっては断られることも多い。
そこで再度湯を愛でた後、いよいよこの旅のフィナーレを飾る夕食である。
「耀」という名前のお店だ。2度目の訪問である。
旅先で初めての店に入るのは少々緊張する。
当たりかはずれかで旅の成否も左右されるからだ。
その店に入店しようと考えたのは、メニューが書かれてあるボードの
内容とうまそうな雰囲気を漂わせる店構えだ。
先日も書いたが最後は勘である。
入店すると風貌からも職人気質を感じさせるご主人が、
初めて入店する一見客の不安を解消してくれるには十分な
対応で迎えてくれた。
お任せの刺身盛り合わせと煮魚を注文するとご主人自ら席に
刺身を運んでくれ、丁寧に説明してくれる。
同じ食べ方の説明にしても客が親切に教えてもらったと
感謝される人がいる一方、おしつけがましく、
さっさとひっこめと思われる人がいるから不思議だ。
幸い前者であった。
常連、一見わけへだてなく、接してくれることも気に入った。
こども連れでも気兼ねなく食べられる店の雰囲気も嬉しかった。
地元で捕れる鬼エビを初めて食べたが、ボタンエビを上品にしたような
甘さが印象に残った。
鮮度が保ちにくいので関西にはなかなか出回らないらしい。
ソイの煮付けは絶品だった。ご飯に煮汁をかけて食べたいと
思っていたところにご飯がタイミングよく出てきて、
ご主人もまたその食べ方を推奨しようと思っていたとのこと。
期待以上にすばらしい料理を出してくれたので
是非再度訪問したいと思っていたのだ。
今回は、予算と人数と訪問時間を伝えていた。
下記の写真を見ていただければわれわれの感動が少しは伝わるかと思う。
松葉かにと若松葉かにそれぞれの刺身と焼きがにである。
個人的な好みからすれば生より焼きの方なのだが、どちらもおいしい。
ご存じの方も多いと思うが松葉と若松葉では値段が10倍違う。
予算からしても松葉が出てくるとは思わなかったので、
ご主人が奮発してくれていることは最初のかに料理で理解できた。
かに味噌につけて食べることができた。かにの食べ比べもすることができた。
刺身はしまえび、鬼えび、もさえびの3種類を用意してくれた。
しまえびは一見するとあまえびかとおもったが、あまえびよりも味が濃厚だ。
もさえびは春の鳥取の名物でみそが甘く食感がぷりぷりで
すぐに飲み込んでしまいたくなるような味だ。
写真からも想像していただけると思うが鯖の刺身は青物好きにはたまらない。
脂ノリがハンパではない。醤油をはじく勢いだ。白身の刺身はソイの刺身だ。
鯖の後に食べても味負けしない。
味はくえとヒラメの間のような味といったところか。
刺身の魚は昨日ご主人自らが漁に出て今日のためにねかしておいてくれたらしい。
肉と同様に魚も一晩ねかした方がうまみが出る。
活け魚料理専門店で生きた魚をその場で料理するようなところがあるが、
うまかろうはずがない。
リクエストしておいたソイの煮付けも抜群においしかった。
松葉の甲羅に日本酒を入れた香ばしい酒がますますすすむ。
日帰りできる源泉掛け流しの温泉とおいしい料理は明日の活力になる。
こども教育学科 教員