2012年6月11日月曜日

T君とH君

先日、高大連携事業で兵庫県立三木北高校にいった。
やっぱり!!居ました~♡
あれは、もう10年以上も前・・・
平成12年度のすみれ組5歳児、T君とH君。

担当授業は「保育」に関してだった。彼らは他のクラスに居たようで、
授業おわりに、逢いに来てくれた~♡♡
(授業中に何度も彼らの話をしたので、授業を受けていた男子が呼びに行ってくれたのです。ありがと~ぅ)。


まず、T君が逢いに来てくれた。

幼稚園の時と同じ表情で同じ仕草。
違いは・・・、頭頂部の髪の毛が逆立っていたぐらい。
思わず駆け寄り、抱きしめた。
T君も私の背中をトントンしてくれた。



身長も体重もすっかり大人だったけれど、あの頃と同じ
T君だった。T君と過ごした一年間の全てを思い出して、
涙が出そうだった。

授業で使ったパソコンを片付けて廊下に出たら、
T君が友達に「幼稚園時の先生、僕のこと覚えてくれとった」と嬉しそうに
話しているのが聞こえた。


T君にとってもこの出会いが♪嬉しいこと♪
として感じられるということは、きっと幼稚園時代が
彼にとって温かい時間であり、
担任との関係も良好として記憶されていると言うことでしょ。

保育者として気になっていたT君が穏やかさと純粋さをもって18歳になろうとしていることが本当に嬉しかった。


次に、T君がH君を呼んできてくれた。幼稚園の時はスリムな体型だったが、高校で柔道をしていたとか。
何とも分厚くデッカクなっていた。握手した手も大きかったが、「せーんせ」と笑う表情、目元はやっぱりH君だった。




幼稚園の時の教え子に、10年後街で出会ったとしても、
殆どがお互いを覚えていない。面影はお互いに残しているだろうけれど・・・私自身12年前に比べ体重が10㎏近く増大しているし、
子どもは、伸長が1.5倍、体重は3倍以上になり、幼かった顔が大人の顔になっている。すれ違って分からないのも当然でしょう。


幼稚園で子ども達と過ごした日々、くり返し語った大切な価値は、殆どが子どもの記憶に残らない。でもきっと、慈しまれたこと、真剣に人と向き合ったことが、子どもの体の深層に入り込み、「自分も他者も大切にすることが気持ちよい」や「どんなことにも真剣に生きることが自分を創るんだ」と思えるその子の芯を創っていると思いたい。

これからも、そんな気持で学生と向き合っていきたい!!と思った出会いでした。

               こども教育学科 多田琴子