2010年2月8日月曜日

医療ミステリーに魅せられて

学生時代から推理小説が好きで、今までに数多くの作家の作品を読んできた。
ここ10年は、推理小説のジャンルに含まれるかどうかは定かではないが、医療ミステリーに凝っている。
 初めに読んだのは、ロビン・コックの「コーマ」である。ボストン記念病院の8号手術室に続発する原因不明の麻酔事故。患者は昏睡状態に陥り、次々と植物人間と化していく。女子医学生のスーザンが医学界の無気味な深淵をえぐる戦慄のサスペンスが面白かった。それ以来、ロビン・コックの翻訳された全作品を読破した。
 ロビン・コック以外にも、マイクル・クライトン、マイクル・パーマー、ロバート・J・ソウヤーなど多くの作家の作品を楽しんだ。
 最近読み始めたのは、霧村悠康の作品。霧村悠康は大阪大学医学部を卒業した現役の腫瘍外科の臨床医である。彼は、大胆にも医学界ではタブーとされる領域のみならず、最新の分子生物学・免疫学を題材として取り上げている。その面白さに、一冊を一日の往復の電車の中で読み上げることもあった。
 A型インフルエンザ流行以来電車通勤をすることがなく、至福の医療ミステリーの読書が中断している。早くインフルエンザが収束し、再び、好きな作家の医療ミステリーが読めるときが来ることを切望している毎日である。