2011年7月18日月曜日

野良猫のお産

梅雨明けの暑い日曜日の朝早、隣に住む88歳の母からコールがあった。我が家の裏庭の物置の床下で「猫が子供を産んでいる」と少し興奮気味である。
 このところ、野良猫の増殖と糞害がご近所を悩ましている。我が家でも、あちこちガードをめぐらし、最近も裏庭で野良猫を見つけて「ネコの忌避剤」なるものを購入して庭に置いたばかりである。
 母が庭に出て背を屈めて床下を覗き、産まれたばかりの子猫を見ながら、「とけそうに小さくて死ぬかもしれない」と。そして「どうしよう」、「放っておくか」、「水でもやろうか」と言いながら、少々混乱気味である。
 私は、産まれたばかりだから「少し様子を見ようと」言う。
暫くして家人が見に行くと、親猫が塀のわずかな隙間から飛んで逃げたと言う。まだ子猫は床下にいるかもしれないが、親猫が連れにくるかもしれないから様子を見ることにした。1時間程して夏の太陽がギラギラと照り付けてきた頃、「死んでいるかもしれないな」「生きていたらどうしようかな」と考え、家人に頼んで床下を見てもらった。なんと子猫はいなくなっていた。親猫は、いつの間に「連れに」来たのだろう。くわえて連れて行ったのだ。
夕方、母の所に行くと「野良猫は偉いね」、「安全で、誰にも見られない、お産の場所を探しに来ていたのね」、「うちの裏庭は安全なのね」、「子猫はこの夏生きられるかな」と、ひとりで呟いている。少し嬉しそうでもあった。
 私は糞害と鳴き声に悩まされるので、野良猫を嫌って、何とかならないものかと思っていたが、今日は野良猫のお産から、「安らぎ」を貰ったのであった。