2012年10月1日月曜日

食習慣とアルツハイマー型認知症

最近よく話題にのぼる「糖質ダイエット」、皆さんよくご存知ですよね。少し前に、同じ理論による「インスリンダイエット」なんていうのもありました。最近これに関する新たな話題を耳にしました。先日のNHK「ためしてガッテン」の放送内容です。なんとこのダイエットがアルツハイマー型痴呆症の予防につながるという話題です。ご覧になっていなかった方のために、以下番組の受け売りで内容を御紹介しましょう。

アルツハイマー型認知症は、脳組織にアミロイド βという繊維状の蛋白質が蓄積し、これが神経変性を起こすことにより発症するとされています。このアミロイド βを分解し、蓄積を押さえる蛋白質(仮に酵素Aとします。)の存在が注目されています。この酵素Aが「インスリン分解酵素」であることが明らかにされたのです。インスリンは糖質が摂取され血糖値が上昇した時に分泌されるホルモンで、これにより細胞は糖を細胞内に取り込みます。インスリンがつくられない、あるいは働かない場合糖尿病となります。酵素Aは、糖質の過剰摂取でインスリンが大量に分泌された時に、インスリンを分解する働きを持ちます。この酵素Aが、副業として、アミロイドβを分解しているのです。しかし、慢性的にインスリンが多すぎる状態にあると、酵素Aは本来の働きであるインスリンの分解に終始し、アミロイドβの分解にまで手が回らなくなります。つまり、インスリンが多く分泌され続けると、アミロイドβが蓄積しアルツハイマー病の発症につながるわけです。

炭水化物の重ね食いを続けたり、高脂肪なものなどを食べ過ぎたりする食習慣で、慢性的にインスリンが高くなります。このような食習慣を絶つことは、メタボリックシンドロームの予防だけでなく、アルツハイマー病の予防にも重要ということになります。食生活ってほんとに大切ですね。 

                                                      教員