2009年11月24日火曜日

親ばか






親ばかと知りながら、このような形で初めて常盤の教員ブログに登場しました。

10月31日土曜日、中学三年生の娘の通う中学校で文化発表会がありました。
インフルエンザの影響で1週間延期しての開催となりました。
なんとラッキー!! なこと・・・
めずらしく当日は何の予定も入っておらず、娘の初舞台をこの目で観ることができました。
生徒会と三年生有志による舞台“泥かぶら”、その主役“泥かぶら”をわが娘が演じたのです。

皆さん、“泥かぶら”という物語をご存じですか?
昭和27年(1952年)に、真山美保さんが書いた戯曲です。
親もなければ身よりもない、いつも汚く汚れている女の子「泥かぶら」。
あまりの醜さに人々のあざけりのまとになり、石を投げつけられたり、唾を吐きかけられたり、踏みつけられたりしました。
女の子の心は日一日とすさみ、荒れて、狂暴になっていきます。
大人からも子どもからものけ者にされ、いじめられて、「泥かぶら」の居場所はどこにもありませんでした。
ある日、「泥かぶら」が、やり場のない怒りと悲しみにもだえ苦しみ、「美しくなりたい」と泣き叫んでいると、そこへ通りかかった旅の途中のお坊様に、美しくなる秘訣として、次の三つのことを教わり、それを守ることを約束します。
それは
「 自分の顔を恥じぬこと」
「 どんなときにも、にっこり笑うこと」
「 人の身になって思うこと」。
それから「泥かぶら」は辛い目にあっても、悲しい思いをしてもその教えを守りました。
しだいに醜かった表情が消えてなくなり、心も穏やかになります。
そして周りの人たちの心までも変えていくのでした。

自分さえよければいいという現代の風潮ですが、
「泥かぶら」は人の身になって思うことの美しさ、そして人間として本当に大切なものは何か?
を考えさせてくれます。
このようなすばらしい物語の主役を演じることができたこと、
また仲間と一緒に一時間におよぶ大作を作り上げた経験は、
娘にとって一生の宝物となるに違いありません。

舞台の上の娘は一回り大きく、そして輝いて見えました。
ほんとに親ばかですね。