2010年3月12日金曜日

能管との出会い

能管というのは、能の囃子に使用される横笛です。
 
初めて本格的にお能を観たのは、成人式の日でした。
演目は「三番叟 鈴之段」、演者は茂山千五郎(現 狂言の人間国宝 千作)さんでした。
それはそれは素晴らしい舞台で、一度でその魅力の虜なりました。
三番叟はその後何度か観ましたが、あの気迫・力量に勝る舞台にはまだ出会っていません。
同時に囃子の中でも、笛の音が心に響きました。
やがてお稽古に通い始めましたが、始めは音が出ません。
闇雲に息を吹き込むばかりで、終いには頭がくらくらしてしまいました。
今でも歌口の角度が悪いと、少しも良い音を出してくれません。
サボってばかりなので、ご機嫌斜めです。
少し性根を入れて、お稽古しなければーーーー。

※ 能管の仕様
  本体は矢竹です。
  これを黒く染め縦割りにし、内径がきれいな円になるよう表皮を内側に組んで、
  ひっつけます。
  歌口(息を吹き込む穴)と7つの指穴を開ける。
  歌口と指穴の間を切り、喉竹を入れ(能管独特)薄板で補強し、籐(樺)で巻く。
  頭部分を付け、黒漆を塗った後艶消しをする。
  頭の内側に重りの鉛を入れ、密蝋で封じて完成。



(「能楽囃子体系」 (財)日本伝統文化振興財団 
P.27笛図)